しごと日記Q&A編

  先月号の新聞奨学生の話、もう少し教えてください。
(2022年3月号掲載)

  ようやく3月。梅、桃と続き、下旬には桜の花も咲き始めます。暖かくなると外で過ごす時間もだんだんと長くなってきます。

  新聞配達に従事するASAスタッフたちも季節の移り変わりには敏感です。朝刊配達を終えた後も、寒い冬の間は暖かいシャワーと布団の待つ自宅へ帰宅を急いでいましたが、寒さが緩んでくると、配達を終え同じタイミングで帰店してきた同僚と話し込む時間も増えてきます。配達の緊張感から解放されると、だらだらとくだらない話も多くなります。春は、世間話にも花を咲かせます。

  先日も、配達は誰々が早い遅いというような話から、「新聞配達のワールドカップとかあったらどうだろうね」という方向に話が逸れていきます。以前このコーナーでも紹介した海外の配達の様子、路上からビルの上層階の出窓めがけて小さく折りたたんだ新聞を投げ上げる・・・あの場面が思い出されます。
  「ムリムリ、ワールドカップは無理、せめて日本選手権くらいにしとこう」と先輩スタッフ。もちろん新聞配達選手権なんてものもありません。それでも無責任に盛り上がります。
  「採点基準は?」との新人君の問いに、「早さ、正確さ、芸術点だな」と先輩スタッフ。「芸術点ってなんですか?」と悪乗りする新人君。「うーん、バイクに乗る時の姿勢とか、ポストに新聞入れるときの指先の美しさとかかな?」と、自信なさげな先輩。もちろん、深夜の新聞配達中に配達員の指先を褒めてくれる人なんていません。「指先の美しさって!!」と、新人君は大ウケです。

  先月号の当コーナーで配達ミスの多さを暴露された新聞奨学生が「僕、配達ミスの多さなら金メダル取れます!」と横から割り込んできます。さすがに先輩スタッフたちからツッコみが入ります。

  春の曙。東の空もしらみ始めます。

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