しごと日記Q&A編

  スタッフに人気のない作業はありますか?
(2018年6月号掲載)

  この「ASAだより」、毎月第一日曜日の発行ですが、このコーナーの原稿は毎回、前月の25日頃に書き上げています。今号を書いている5月24日現在、まだ関東地方に梅雨入りの気配はありませんが、月明け3日の発行日には、ひょっとしたらもう梅雨入りしているのかもしれません。

 毎日のように降り続く雨は、紙製品である新聞にとっては大敵ですし、配達時間が長くなるためスタッフにとっても大敵です。

  この春に入社して、ようやく一人で配達できるようになった新人君たちですが、配達順路や読者の氏名、新聞の銘柄の書かれた「順路帳」を今も手放さずに慎重に配達をしています。これは、配達に不慣れな新人君や、スタッフが休みの日に代わりに配る代配スタッフが使う配達マニュアルですが、普通紙ではなく、水に濡れても大丈夫な特殊コーティングが施された専用用紙を使っています。雨に濡れても破れたりすることはないのですが、ページが水で張り付いてしまって1ページずつ剥がしながら配達するのは容易ではありません。

  この順路帳、約500件の配達先を、各エリアの担当スタッフが油性マジックを使って手書きで書き上げます。転出入等で読者の入れ替わりもありますし、新聞のインクなどで汚れて書かれている文字も読めなくなってしまいますから、どうしても毎月更新する必要があります。この毎月恒例の「順路帳書き」は、最近のパソコン・スマホ世代の若いスタッフには、すこぶる人気のない作業です。

  そんな新人君に限らず、読み書きの苦手なスタッフは少なくありません。順路帳の読者氏名をよく見ると、間違って書いているのも見受けられます。『萩』原さんと『荻』原さんを間違えたり、『柴』田さんを『紫』田さんと書いたりなんていうのはかわいいほうで、『太』の字は『大』に化けたり『犬』に化けたり。その都度、気付いた先輩スタッフに注意されて書き直すのですが、2〜3ヶ月も経つと元に戻ってしまいます。中には、先輩スタッフも匙を投げてしまうほど、しぶとく間違え続ける新人君もいます。

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