しごと日記Q&A編

  配達中、ピンチ!と思うのはどんな時ですか?
(2015年5月号掲載)

  寝静まった街、そこが新聞屋さんの「職場」です。朝刊の配達時間帯に住宅街の路地の奥や、畑の中の一本道をうろついているのは野良猫くらいのものです。いったん配達に出ると助けてくれる人はいませんから、交通事故を起こしても発見されるのが朝になってしまう可能性もあります。常に安全運転を心がけることはもちろんですが、事故でなくても「SOS」を発信したくなる場面はいくつもあります。

  中でも一番のピンチはタイヤのパンクです。以前は、パンクしたら最寄りの公衆電話まで新聞を積んだバイクを押したり、状態がひどい場合にはバイクをその場に残したまま駆け足で公衆電話を探したりしていました。最近では携帯電話の普及で、その場から救援要請が出来るようになりました。

  通常、パンクの場合は、ASAで電話を受けた店舗当番が代替バイクを車に積んでパンク現場に乗り付け、バイクを交換します。スタッフは新しく届いたバイクに新聞を積み直して配達再開、パンクしたバイクは代わりに車に積まれてASAへ一足先に戻る……という段取りになります。
  電話をしてから新しい代替車が到着するまで15分前後。配達再開までには30分近くかかることもあります。雨の日で配達が遅れ気味の日や、逆に夏場の天気のいい朝で皆さんが早くお目覚めになるような日には、読者の皆さんをお待たせしているのではないかと、気が気ではありません。30分のロスはやはり痛いものです。

  やっと配達を終えてASAに戻っても、眠気をこらえてパンクの修理。これが終わらない事には帰宅する手段がありません。ベテランスタッフならお手の物ですが、新人君には荷が重いようです。配達終了後に疲労や睡魔と戦いながら修理をするのは、「新人君が最もSOSを出したい場面」かもしれません。

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