続・しごと日記 〜新人君は見た!〜

[4] 雨の日の配達 (2006年7月号)

  じめじめとした梅雨の季節、皆様いかがお過ごしでしょうか?
 我らが新人君も毎日のように降る長雨と果敢に戦っています。

○月×日

 今日も雨。
 「この梅雨を乗り越えられれば、お前も一人前だ」 という先輩の一言。
 自分では結構一人前になったつもりなんだけど……。でも、まあ鍛えられています。体力は消耗するし、にわか雨に降られたりすると、てんてこ舞い。雨の日でも、新聞をぬらさずに、読者の皆様にお届けする……当たり前のことだけど、実際にやってみると、結構大変だ。
 先輩には、すべての新聞にビニールをかけるということが、ないように注意される。
 「雨の降りこまないアパートやマンションへ届ける新聞にまでビニールをかけるのは素人だ!」
 『必要なサービスを必要としているお客様へ』 これが配達の基本なんだとか……。  配達が400部ほどの平均的なエリアで、実際にポストが壊れていたりして、ビニールをかけた新聞で対応するのは約1割程度。ポストの状態を見て、選別配達をするよう指導されるけど、これがけっこう難しい。丈夫そうなポストでも裏側が壊れていたり、雨漏りがしていたり。指示通りに配達するけど、見た目はわからない場合も多い。
 にわか雨や予想外のポストの故障には、手入れ用のビニール袋で対応する。
 ポストに手紙やチラシが刺さりっぱなしになっている場合も面倒だ。首尾よく新聞を届けても、手紙やチラシ伝いに雨粒がしみこんでくる。
 新聞屋の眼と勘を研ぎ澄ませ!腕を磨け!先輩はそういうけど、なかなか大変だ。
『伝説の配達員』『配達の神様』 そういった称号で呼ばれるベテランの配達社員がどこの販売店にも必ず1人はいて、そういった人たちは、この時期の長雨のみならず台風や降雨に動じることなく黙々と配達するらしく、突然のにわか雨にも1件のクレームもなく配達を終えるのだとか。
 僕も見習おうと、ちょっとまねをしてみると……
 「○丁目の○○さん、新聞がぬれていて読めないらしいぞ! すぐにきれいなものを届けて、頭下げて来い!」 店長からのおしかりです。まだまだ『達人』への道のりは険しそうです。

 まもなく梅雨明け。これまた過酷な暑い夏が待っています。
 時間はかかりましたが、いよいよ新人君も集金やあいさつ回りで読者の皆様に、お披露目となります。
 新人君、どんな日記をつけていくのでしょうか……

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