しごと日記

折込みチラシの話 [1]  (2005年8月号掲載)

 皆様が毎日手に取る新聞、もう一つの大事な顔が折込みチラシです。
 朝、ポストから新聞を抜いたら、まずご主人様が新聞、奥様が折込みチラシと役割分担されているご家庭もあるかと思いますが、この折込みチラシについては皆様もご存じないことが多いのではないでしょうか。今回は、奥様だけでなくご主人様にも読んでいただきたい「なるほど!」な折込みチラシのお話です。

 8月になってから折込みチラシが少なくなったことにお気付きでしょうか?8月は、折込みチラシが一年間で最も少ない月です。また、曜日や新聞の銘柄によっても折り込まれるチラシの数が違います。一週間で見てみると、月曜日が約20種類、火・水曜日は約15種類、木曜日は約20種類と比較的少なめで、週末になると、金曜日に約30種類、土曜日に約45種類と増え、日曜日には25種類程度に減るという流れがあります。種類としては、金・土曜日は不動産や自動車の宣伝広告が増え、日曜日には求人広告が増えます。毎週決まった曜日に特売セールの広告が入るスーパーもありますから、以外と曜日の傾向は把握しやすいです。
 一週間のうちで折込みチラシの最も多い土曜日の配達は結構大変です。また、一年で最も折込みチラシが多いのは元旦で、60〜70種類にもなります。

 新聞の銘柄でいうと、朝日新聞に比べると、日経、東京、産経、毎日の4紙はチラシの種類が少なくなっています。ただ、日経や東京新聞には入って、朝日新聞には入らないチラシもありますし、まったく同じチラシが曜日を変えて別の銘柄に入ることもあります。お友達の家に遊びに行って、同じ新聞なのに自分の家には入らなかったチラシが入っていた、なんて経験はないでしょうか?「販売店のミスかしら?」と思われるかもしれませんが、これらはすべて、広告主の指示によるものです。

 よく、「日経新聞を購読しているが、朝日新聞のチラシを入れてもらえないか?」というご相談をいただくことがあります。折込みチラシは、銘柄ごとに何枚と広告主が指定した分しか届きません。もし、指定されていない新聞(たとえば日経など)に折り込むと、本来チラシを折り込むべき新聞(朝日)の読者の分が不足してお届けできない状態になってしまいます。このような事情で、誠に申し訳ありませんが、他の銘柄への折込みはお断りしています。

 また、お客様のお住まいのエリアによっても若干の違いがあります。折込みチラシの中には、「西平山地区指定」や「南平地区指定」というように、エリアが最初から指定されていてそのエリアに配る部数分しか届かないものもあります。
 その他にも、「リフォームのチラシを集合住宅以外のエリアに配布してくれ」とか、「学習塾のチラシを小中学生がいる家庭の多いエリアに配布して欲しい」というような、細かい指定がある場合もあります。各エリアの配達員とも相談して、できるだけ効果的にチラシを折り込むようにしています。

 当ASAでは、折込みチラシについての自主的な規制を設けています。特に、選挙期間中の政党チラシや特定の宗教団体のチラシといった微妙なものや、誇大広告と思われるものは規制に従って折込を見合わせる場合があります。

 こうして、曜日や新聞の銘柄、エリアなど色々な条件や指示のつけられた折込みチラシが、販売店での折込み作業の後、新聞と一緒に毎朝皆様のお手元に届けられるのです。

▲上へ

折込みチラシの話 [2]  (2005年9月号掲載)

搬入されたチラシ 折込みチラシは、読者の皆様がご覧になる日の2日前の深夜から前日の未明にかけて、折込み広告業者によって販売店に搬送されてきます。チラシは1種類100枚単位で大体2,000〜4,000枚ほど届きます。ちなみに当店の場合、全部の新聞に折り込む場合は約6,000枚必要です。
  また、業者が搬送するものの他にも、読者の皆様やご近所の商店、学習塾などが直接店へ持ち込んでこられる場合もあります。折込みをお考えの方は、ぜひ当店にお問合せください。
  こうして、 前日の朝にはチラシがすべて揃います。

折込み丁合機 午前10時にパートさんが出勤してくると、折込みの作業が始まります。順番に並んで1枚1枚手作業でチラシを拾っていく、という光景を想像されるかもしれませんが、実際は折込み丁合機という高さ2mほどの機械を使って作業をします。
  機械には、最大23種類の折込みチラシをセットできます。23種類分の差込口がついていてそれぞれ数百枚ずつ差し込みます。スタートボタンを押すと機械がチラシを1枚ずつ吸い込んでいって新聞1部分の折込みチラシを仕上げてくれます。
  ただ、紙の質や厚さによって吸い込みの強弱を調整しなければなりません。これが結構大変で、1部分に2枚以上同じチラシが流れ込むことがあります。そのため、チラシの端に「」を当てて「流れ込み」を防ぐようにしています。チラシの端に一本引っかいたような跡がつきますが、これが針の跡です。こうして針を当てて細かくチェックしても2〜3枚流れ込んでしまう場合があります。
  また、「同じチラシが何枚も入っている」というご指摘の他に、「チラシの中に紙くずのようなものが混ざっている」というご指摘をいただくことがありますが、これは針を当てた時に出るチラシの破片です。作業の過程でできるだけ取り除いていますが、手作業なのでどうしても全部取り除くことができず、破片が混ざってしまうことがあります。

折込み作業風景 機械でセットした新聞1部分のチラシをパートさんが手作業できれいに揃えます。
  金曜日や土曜日など40〜50種類の折込みチラシがあるときは、この作業を2〜3回繰り返します。出来上がったチラシ2〜3組を手作業で組み合わせるとお届けする折込みチラシの完成です。チラシの種類が多い日にご覧いただくと、折ったチラシでひとつにまとめられたものが2〜3組合わさっているのがお分かりいただけると思います。

 チラシの量によって、パートさんたちも午前中で作業が終わる日もあれば、夕方までがんばっても終わらない日もあります。こういう日は、夕方から夜にかけて社員が作業を引き継ぎます。なにしろこの作業が終わらないと翌日の配達できませんから、何を置いても折込みを終了することが優先されます。
  出来上がった折込みチラシは、販売店の棚の中で翌日の朝刊配達時まで保管します。翌日、販売店に朝刊が届いたら、1部ずつチラシを入れて皆様のお手元に配達するのです。

 今まで何気なく手に取っていた「折込みチラシ」、特売セールのチェックが終わったら是非作業過程を思い浮かべてみてください。新たな発見があるかもしれません。

しごと日記 目次へ 前へ 次へ

▲上へ