小さな散歩道

日野煉瓦めぐり・日野一中(日野市本町7丁目)


日野用水(上堰)鉄橋 日野煉瓦が使われている

日野中央図書館入口にある高札を足元にも

一中にある煉瓦には日野煉瓦を著す刻印HBWが

多摩川鉄橋の橋台にも

 日野は、かつて市内にレンガ工場が置かれていたこともあり、レンガに大変縁が深いことで知られている。今回は、日野市内に残るレンガスポットをいくつか訪ねてみた。

  日野駅からガードをくぐり、線路沿いを立川方面へ進むと日野用水上堰橋梁がある。中央線の下に用水を通すために造られたこの橋に使用されているのが、日野煉瓦だ。
  日野煉瓦工場の操業開始は明治21(1888)年で、翌年の甲武鉄道(中央線の前身)の立川−八王子間開通に向けて工場が設立されたと考えられている。日野煉瓦は、立川と日野を結ぶ中央線の多摩川橋梁や、日野用水上・下堰橋梁、日野駅近くの飯綱権現社などで使用され、わずか2年半の操業期間で約50万個のレンガを製造したという。短命に終わってしまった日野煉瓦工場は、現在の日野警察署の向かい辺りにあったそうだ。橋の傍らには昭和27(1952)年に同地点から撮影されたパネルがあり、日野用水の変わらぬ流れを伝えていた。

  日野駅から甲州街道を少し東に進むと、日野図書館がある。この図書館の入口脇にはレンガが展示されている。このレンガは昭和7(1932)年に甲州街道の歩道に敷かれていたもので、大阪窯業の八王子工場で製造されたものだ。足もとに置かれたレンガには「OSAKA YOGYO」の刻印があった。


日野一中の壁にはめ込み展示させている「日野煉瓦」のモニュメント

  日野図書館手前の道を入り、中央福祉センターの角を曲がると、日野第一中学校が見えてくる。この学校の校門は一風変わっていて、日野宿をイメージした長屋門風の造りになっている。この校門から右手に進むと、学校角の一画にレンガのモニュメントがあるスペースがあった。
  壁面には「日野煉瓦と舗道」という説明プレートと日野煉瓦が張られており、床面には大阪窯業のレンガが敷かれていた。レンガの両脇にはベンチがあり、目の前では日野用水がサラサラと流れている。学校の角にある小さなスペースだが、なかなか居心地のいいスポットだった。

  ここから少し足を伸ばせば多摩川だ。中央線の多摩川橋梁の橋台部分(橋の両端で橋を支える構造物)には、現在でも日野煉瓦が使用されている。散策ついでに寄ってみるのもいいだろう。

(2023年7月掲載)


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