小さな散歩道

オリンパス技術歴史館「瑞古洞」 (八王子市石川町)



200倍の生物顕微鏡でジャガイモのでんぷんを観察

モニターを見ながら把持鉗子で病巣をつかむ体験

昭和天皇ご愛用の顕微鏡

カメラ歴史展示コーナー

  JR八高線北八王子駅から徒歩10分。あるいはJR八王子駅下車、北口バスターミナル1番乗り場よりバス。東海大学八王子病院行きなどで、北八王子駅入口下車。オリンパス株式会社 技術開発センター石川内にオリンパス技術歴史館「瑞古洞(ずいこどう)」がある。見学は事前予約制。受付にその旨を告げると、解説員の方が来てくれた。

  瑞古洞は、オリンパスの創業時から現在にいたるまでの製品を展示し、技術的変遷や発展、それらがどのように社会の発展に貢献してきたかを紹介する技術歴史館だ。「瑞古洞」は、その愛称で、オリンパスが開発した最初のカメラ用レンズZUIKO(瑞光)に由来し、古くからの同社製品を集めた洞穴をイメージして付けられた。

 展示は【1】顕微鏡を中心にした科学事業、【2】カメラを中心にした映像事業、【3】内視鏡を中心にした医療事業の3つに分かれる。

 【1】科学事業
  1919年顕微鏡量産化の夢を抱き、創業者山下長(やました たけし)氏が会社設立。展示ケースに、同社初の顕微鏡「旭号」(1920年)から開発年代順に顕微鏡が並ぶ。航空機のエンジンや橋梁など、産業機器・社会インフラの検査で欠かせない超音波を使った非破壊検査装置も紹介。体験コーナーでは、生物顕微鏡や双眼実体顕微鏡を用いたサンプルの観察や、工業用スコープの操作などを実際に体験できる。

 【2】映像事業
  1936年ズイコー(瑞光)レンズ誕生。同社初のカメラ「セミオリンパスI型」から、フィルム時代の「オリンパスペン」や「OMシリーズ」など。近年人気のミラーレス一眼PENシリーズなどデジタルカメラを支える先進技術を体感できる。

 【3】医療事業
  1950年に世界初の実用的な胃カメラの開発に成功。今や同社の内視鏡事業は、消化器分野で世界シェア約7割を占めている。ガストロカメラ「GT-I」(1952年)、内視鏡システムや内視鏡に使う処置具が閲覧できる。
  外科手術に使う把持鉗子(はじかんし)でモニターを見ながら病巣をつかむ作業は難しいことが分かった。 展示物の中には昭和天皇愛用の顕微鏡やフィギアスケーターの浅田真央さんのサイン入りスケート靴などあり、貴重だ。

■オリンパス技術歴史館「瑞古洞」 (八王子市石川町2951
開館時間/9:30〜17:00 (最終入館は16:30まで)
休館日/土・日・祝日及び会社休日
入館料/無料
見学申込み/予約制(TEL:042-642-3086)
  電話で希望日時を予約。解説員が館内を案内してくれる。
  約60分(調整可能。応相談)。駐車場あり(無料)。

(2019年3月掲載)  地図


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