小さな散歩道

石明(せきみょう)神社 (石田2丁目)

 
(左) 石明神社の鳥居  (右)   朱の色が鮮やかな社殿


斜めに生えている神木

石明公園の健康遊具「スプリングバー」

 多摩都市モノレールの万願寺駅を降り、国道20号日野バイパスを渡ると、右手に「土方歳三資料館→」という看板がある。この道を入って資料館を過ぎ、畑のあるT字路を左に入ると、浅川のほとりに建つ石明神社が見えてきた。

  石明神社の創建年代は不詳だが、社誌によれば南北朝期とも推測されるという。また、慶長2年(1597年)に社殿を改築した棟札が残っており、古くは堰大明神、または石明社、石大明神といわれていたそうだ。この一帯はたびたび洪水に見舞われているため、石の神ではなく、もともとは堰の明神であろうという説もあるのだとか。

  鳥居をくぐり、境内に入ると、社殿に通じる石畳には「明神橋」と書かれていた。石畳が「橋」とは妙だな、と思ったが、やはり水に縁のある神社ということなのだろう。朱色が鮮やかに映える社殿は、階段脇など所々が黄色に塗られており、小さいながらも素敵な社殿だ。また、屋根には鉄兜のような装飾が施されていた。
  その左手には立派なご神木があった。2本あるご神木のうちの1本は、地面から思いっきり斜めに生えていて、境内からせり出すように天高く伸びている。なかなか見慣れない光景だ。古くからこの地に鎮座しているご神木なのだろう。

  神社には石明公園が隣接しており、腹筋ベンチなどの健康器具が置かれている。また、公園中央にはコンクリートの土台の上に木製のやぐらが建っているが、これが何の用途に使われているのかは不明だった。


蛇行する浅川。左奥にふれあい橋が見える

  浅川の土手に上ってみると、下流側には新井橋とその上を走るモノレール、上流側にはふれあい橋が見える。なんとなく川筋を見てみると、川は少し上流の辺りでこちらに向かって大きく弧を描いている。かつてとは川筋も多少変わっているのかもしれないが、この一帯がよく洪水に見舞われたとことを物語っているような気がした。

(2017年7月掲載)  地図


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