小さな散歩道

八王子夢美術館  (八王子市八日町)

展示場入り口大型作品を含む170点を展示

室生寺=室生寺弥勒堂釈迦如来坐像右半面相(昭和18年頃撮影 土門拳記念館所蔵) 市民が気軽に親しめる「くらしの中の美術館」として、8年前に市街地に作られた夢美(通称)を友人と訪問。JR八王子駅から徒歩15分。京王八王子駅からは徒歩18分。バスはJR八王子駅北口から乗り、バス停「八日町一丁目」で降りてすぐ。再開発ビル(ビュータワー八王子)の2階エレベーターを降りたところが美術館だ。
 ちょうど写真展「土門拳の古寺巡礼」が開催中(11月23日まで)だった。ロビーでは土門拳(1909〜90年)が自分の作品について語っているビデオが流れていた。
  山形県酒田市生まれ。東京で写真家の修行をする。昭和を代表する写真家の一人。ライフワークとなった「古寺巡礼」は1939年暮れ、奈良県の山間にひっそりと建つ室生寺を訪ねたことから始まった。 室生寺は平安時代初期の木彫仏の宝庫だった。以後、日本全国を巡り、仏像撮影を続ける。
  被写体を凝視し、自分が惹(ひ)かれた部分に焦点を当てクローズアップする。ある時は仏像のまなざしだったり、手や足、口元だったりする。お顔だけの吉祥天立像頭部(浄瑠璃寺本堂)、たくさんの指先が放射状に突き出ている部分に焦点を当てた千手観音立像左脇千手詳細(唐招提寺金堂)など、迫力ある作品170点が並ぶ。
さつまいもパイ 期間中に開かれるギャラリートークは、実際の展示品を観ながら解説をするので、より土門拳を理解するのに参考になる。無料(ただし観覧料が必要)。当日会場へ。
  鑑賞後は同じフロアにある喫茶と軽食店の「かーむ」でコーヒーを飲みながら友人と余韻を楽しんだ。

ギャラリートーク

グッズ販売コーナーには、土門拳の写真集なども販売している「土門拳が撮った寺と仏像」
日時/ 11月6日 11:00-11:45
講師/伊藤由美子同美術館長 (共著に『土門拳の古寺巡礼』)

「土門拳が愛した室生寺」
日時/11月18日 15:00-15:30
講師/同館学芸員

八王子夢美術館 (八王子市八日町8-1 ビュータワー八王子2F)
開館時間/10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日/月曜日 (ただし、祝日の場合は開館し翌平日が休館 )、年末年始、展示替臨時休館あり
入館料/一般500円、小学生以上と65歳以上250円 土曜日は小中学生無料
問合せ/TEL 042-621-6777

(2011年10月掲載)  地図


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