小さな散歩道

片倉城跡公園 (八王子市片倉町)

彫刻家・北村西望の作品「浦島−長寿の舞」と自彫刻の胸像(右)  JR横浜線片倉駅から徒歩6分。駅北側のこんもりした丘陵が、八王子市立片倉城跡公園だ。 片倉城は室町時代に築城された平山城だが、城主が誰だったか諸説あり、はっきりしていない。 面積は約6ヘクタール。北側斜面には雑木林があり、その中を散策路が廻っている。斜面の北は湿地で、その北には湯殿川が流れている。
  国道16号から入る。そこは彫刻広場だった。長崎の「平和祈念像」の作者・彫刻家の北村西望の作品などの彫刻が設置されていた。 これは八王子市がすすめている「彫刻のある街づくり」に西望が共鳴し、日本彫刻展主催の日彫展の「西望賞」受賞作品を19体展示している。 彫刻広場の横にあるのは「はす沼」。5月下旬からスイレンの花が楽しめる。体がるり色のカワセミも飛来、カメラを向けてじっと構えている人もいた。 「春から夏にかけて湯殿川に遊びに行くカルガモの親子の散歩が見れますよ」と近所の人。
いこいの広場を流れる小川は小さな子どもが好きな遊び場  南にまっすぐ伸びている急な階段を上ると住吉神社だ。深い木立を抜けると視界が開け芝生の広場に出た。 「本丸広場」と「二の丸広場」だ。桜が植えてあり、花見時には地元の人たちがお弁当を広げ楽しむ姿が見られる。 「ここは高台にあり、周囲が木立にへだたれているから、国道からも、横浜線からも見えないから、静かでゆっくり花見が楽しめます」 と赤ちゃん面のお母さんが教えてくれた。西の奥の沢はカタクリの群生地のひとつ。北側斜面の群生地より気温が低いから、サクラの見ごろの時期でもまだ咲いてかもしれない。
湧水を生かした水車小屋  林の中の湧水(ゆうすい)が公園北側に湿地や池を作っている。湿地部では5月下旬から6月にかけてショウブ田ではアヤメ、キショウブ、ハナショウブの群生が見事だ。 湯殿川に面しているいこいの広場にもサクラの苗木が並ぶ。

■問い合わせ/
八王子市まちなみ整備部公園課 TEL:042-620-7271

(2010年4月掲載)  地図


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