小さな散歩道

東浅川駅跡地  八王子市東浅川町

 

 甲州街道(国道20号線)の高尾警察署前交差点を南に向かい、JR中央線の「新地第二踏切」の手前の道を右に曲がった。 舗装はされておらず、むき出しの路面に2本の車輪の跡が走っている。道幅は線路とほぼ同じで、その昔は線路が走っていた様にも思える。
 道の奥へと歩いてみる。50メートルほど進んだ所に、鉄製の門があってそれ以上は行けないが、道は同じ幅で中央線に沿って伸びている。 ここでUターンして甲州街道へ戻り、多摩御陵入り口交差点へと来た。右へ進めば多摩御陵だが、左側の空き地のような場所へと向かった。 そこは鉄製の門扉が半分閉められていて、両側には石製の門柱が立っている。
 まだ、比較的新しく見える右の門柱に、白い石製の表札が埋め込まれていた。つたで覆われかけた表札に、くっきりと刻まれた「陵南会館」の文字。 歴史をさかのぼれば、ここには昭和の初め多摩御陵に参拝するための東浅川駅があったそうだが、その後廃止された。 駅舎は「陵南会館」として一般に開放されたというが、火災で焼失してしまったとのこと。
 その東浅川駅の跡地に今あるのは、1軒の平屋の建物だけだろうか。入り口には「陵南会館に用事のない者の立入りを禁止します」という看板があって、 中には入れそうもない。脇を通って中央線を越える「陵南こ線橋」から眺めると、植え込みや大木などで、かろうじてここに駅舎があったことがしのばれた。

(08年9月掲載)  地図


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