しごと日記Q&A編

  今年も卒業する新聞奨学生がいますか?
(2024年2月号掲載)

  東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ
  学問の神様として知られる菅原道真公が、大宰府に左遷される折に、京の邸宅に植えられた梅の木に向けて詠んだとされる歌です。この歌には「春な忘れそ」と「春を忘るな」で終わる二つのバージョンがありますが、実は、より古い歌集に収録されている「春を忘るな」の方が原形のようです。

 「学問」つながり、というわけではないのですが、大学や専門学校に通いながら、当ASAで新聞の配達や集金業務に従事していた新聞奨学生たちの卒業の時期が近づいてきました。

 大学生の場合は4年間、専門学校だと学科やコースによって2〜4年間、朝刊配達後に眠い目をこすりながら学校に通いました。特に、今年4年制の大学や専門学校を卒業するのは、4年前の2020年4月に入学した学生たちです。ちょうど新型コロナの感染が拡大する中で上京し、不安の中、奨学生生活をスタートさせた学年になります。オンライン授業が続き、友達づくりにも苦労した世代。そんな彼らがこの春、無事卒業を迎えることになります。

 来月、大学や専門学校の卒業式を終えると、住み慣れたASAの寮を退去していきます。東京に残る者、実家のある地元に戻る者、様々ですが、それぞれが選んだ場所で社会人として新たな一歩を踏み出すことになります。集金時に読者の皆さんのお宅に伺うのも今月末の集金が最後になります。ありがとうございました。

 さて、道真公の愛した梅の花ですが、東京では、今年はすでに1月9日に開花が観測されています。ソメイヨシノの標準木が靖国神社にあることはよく知られていますが、梅の標準木はすぐ近くの北の丸公園内にあるのだそうです。

 来月下旬には新入生が上京してきます。
 今日は立春、いよいよ春の訪れです。

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