しごと日記Q&A編

  海外では道路からベランダに投げたりする変わった配達方法がありますが、配達スタッフの方もそういう変わった配達の思い出はありますか?
(2020年12月号掲載)

  街頭で、路上から中空めがけて新聞を投げ上げる配達人。新聞は見事な放物線を描きながら、道路に面したアパートメントの上層階の開け放たれた窓やベランダに吸い込まれていきます。名人芸ともいえるその技は、海外のニュースを紹介するテレビ番組などでよく放映されることもあるので、見覚えがあるという方も少なくないのではないでしょうか?

 体力に自信のある若い新人君、「あれくらいだったら、自分でもできると思うんですけどねぇ」なんて、ボールを投げるようなポーズをしながらやる気になっていますが、国内ではなかなか難しいだろうと思います。勢いがつきすぎて室内の物品や窓ガラスを傷つけてしまったり、逆に勢いが足らずに途中で空中分解した新聞がばらばらと路上に散らばってしまったりという危険性を考えると、とても挑戦する気にはなれません。
  マンションや団地では、通常、階下の集合ポストか階段やエレベーターで階上まで上がって各戸の新聞受けまでお届けしています。

  また、最近では随分と少なくなりましたが、自宅の二階部分を間貸し用に改造した下宿もかつては結構ありました。大家さん宅の玄関やポストと別に、裏口のほうに下宿生用の玄関があり、靴を脱いでそのまま階段を二階に上がると廊下に沿って各室のドアがずらりと並んでいるという感じです。

  もともとは裏口に下宿生用の共通のポストが取り付けてある場合もあるのですが、下宿人がどこかで入手してきたポストが勝手に設置されていることもあります。
  同様に、かつての下宿人が退去時に撤去しないまま放置していった持ち主不在のポストなどもあると、名前も書かれていない似たようなポストがいくつも並んでいるという事態になります。

  毎日配達している担当スタッフは慣れた様子で目当てのポストに新聞を投函しますが、初めて配る新人君などは面食らってしまうようです。当たるも八卦当たらぬも八卦、「えいやっ」と運まかせで新聞を投函することもできず、ほかのお宅の配達を全て済ませてから、ASAで先輩スタッフに確認してから再度現地に新聞を届けに戻ったりもしたものです。

  今年も一年間ご愛読ありがとうございました。少々早いご挨拶にはなりますが、皆様、よいお年を。

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